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Articles tagged with: 西洋美術

小平信行, 展覧会レビュー, 関東 »

[2012 年 10 月 30 日 | No Comment | 4,628 views]
風景画が語る人と自然 《メトロポリタン美術館展  レビュー》

風景画というジャンルの絵画が成立したのはいったいいつ頃だったのであろうか。中国における山水画を風景画とすれば、8世紀の中ごろ、唐の時代にはすでに多くの名作が描かれていた。山水画の技法は朝鮮や日本にも影響を及ぼし、風景画の一つのジャンルとして確立されていたのだ。

山水画の世界で印象的なのは、単なる自然の光景だけでなく、人間の生活もまた小さくではあるが、描かれていることが多いことだ。家畜を連れて歩く農夫の姿や、湖で漁をする漁民、雪道を旅する人々・・。そびえる山や悠然と流れる大河など圧倒的な自然の大きさに対して、人の姿はよほど目を凝らして注目しないと見過ごしてしまうほど小さい。

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終了した展覧会, 関西 »

[2012 年 10 月 10 日 | No Comment | 2,135 views]
大エルミタージュ美術館展 〜世紀の顔・西欧絵画の400年〜

展覧会サイト:http://www.ytv.co.jp/hermitage/

2012年10月10日(水)〜 2012年12月6日(木)

京都市美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町124)
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午前9時 ~ 午後5時
10月26日(金)~ 28日(日)は午後8時まで開館
(いずれも入館は閉館の30分前まで)

休館日:月曜日

5組10名様にチケットプレゼント!<終了しました>

京都市美術館周辺の素敵なお店

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終了した展覧会, 関東 »

[2012 年 10 月 3 日 | No Comment | 2,017 views]
リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝

展覧会サイト:http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/

2012年10月3日(水)〜 2012年12月23日(日)

国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
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午前10時 ~ 午後6時(金曜日は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで

休館日:火曜日

5組10名様にチケットプレゼント!<終了しました>

国立新美術館周辺の素敵なお店

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[2012 年 9 月 28 日 | No Comment | 4,356 views]
静けさの秘密 《シャルダン展  レビュー》

多くの場合、画家は光線の具合や季節によって変化する対象に感動し、同じモチーフを繰り返し描く。モネの睡蓮、セザンヌのサント・ヴィクトワール山など数えあげたらきりがない。繰り返し同じモチーフを描くこと。そこには自然の移りゆく変化と同時に画家の心境なども織り込まれ、時に見る者に美を感じさせるのである。

そんなあたり前のように思ってきたことが、実はそう単純ではないことに気づかされる展覧会に出会った。今、東京で開かれているフランス18世紀の画家シャルダンの絵画38点で構成された「静寂の巨匠」展だ。

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[2012 年 6 月 30 日 | No Comment | 2,642 views]
マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝

公式サイト:http://www.asahi.com/mauritshuis2012/

2012年6月30日(土)〜 2012年9月17日(月・祝)

東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
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午前9時30分 ~ 午後5時30分
7月21日(土)~ 8月31日(金)は午前9時30分 ~ 午後6時30分
※金曜日は午後8時まで
※入室は閉室30分前まで

休室日:月曜日 <ただし7月16日、8月13日、9月17日は開室、7月17日は休室>
臨時開室日:8月13日(月)午前9時30分 ~ 午後6時30分

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[2012 年 6 月 13 日 | No Comment | 2,280 views]
ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年

公式サイト:http://www.berlin2012.jp/tokyo/

2012年6月13日(水)〜 2012年9月17日(月・祝)

国立西洋美術館(東京都台東区上野公園7-7)
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午前9時30分 ~ 午後5時30分(金曜日は午後8時まで開館) 入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(ただし、7月16日、8月13日、9月17日は開館、7月17日は休館)

5組10名様にチケットプレゼント!<終了しました>

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[2012 年 5 月 29 日 | No Comment | 3,546 views]
閾(いき)の美学 《ジョルジュ・ルオー 名画の謎  レビュー》

月を見るために特別に設計された「月見台」を持つ桂離宮。中秋の名月に行われる様々な行事。月に自らの心を重ねるなど、日本人は古来、月に特別な想いを寄せてきた。月を描いた絵画や工芸品も多いが、私にとって忘れられない一枚がある。

江戸中期に活躍した絵師 円山応挙が描いた《秋月雪峡図》と題された屏風絵だ。横3.5メートルをこえる六曲一双の2組の屏風に描かれているのは一面の雪景色。その中に小さく一軒の家があり、雪の積もった岩山を背景にして、松が雪の重みでしなっている。右側の屏風絵には小川が流れ、遠くには雑木林が靄にかすんでいる。雑木林の向こうに今にも沈みそうな月が小さく描かれ、この雪景色は早朝であることを思わせる。白昼の月によって、夜が明け、昼へと移り変わる時の経過を見事に表現しているのだ。

時代も国もまったく異なるが、ルオーの風景画もまた月が印象的だ。今、汐留ミュージアムで開かれている『ジョルジュ・ルオー 名画の謎』展ではルオーの初期から晩年にいたる版画や油彩画などの代表作およそ100点を見ることができる。

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