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関西・大阪文化力会議2011

2011 年 1 月 27 日 9,245 views No Comment

1月18日に大阪国際会議場で開催された「関西・大阪文化力会議2011」に参加してきました。

プログラムの内容は下記の通り

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基調講演Ⅰ:エズラ・ヴォーゲル(ハーバード大学名誉教授)
基調講演Ⅱ:李 御寧(大韓民国初代文化大臣)

第1分科会:東アジアとともに進む日本の文化戦略を探る
      パネラー:エズラ・ヴォーゲル(ハーバード大学名誉教授)
           佐々木 幹郎(詩人)
           佐藤 茂雄(大阪商工会議所 会頭/京阪電気鉄道代表取締役CEO)
           王 敏(法政大学教授)
      コーディネーター:萩尾 千里(大阪国際会議場社長)

第2分科会:関西の文化力向上と戦略的発信
      パネラー:李 御寧(大韓民国初代文化大臣)
           千田 稔(国際日本文化研究センター名誉教授/奈良県立図書情報館 館長)
           高島 幸次(大阪大学招聘教授/大阪天満宮文化研究所 研究員)
           鳥井 信吾(サントリーホールディングス代表取締役副社長)
           蓑  豊(兵庫県立美術館 館長)
      コーディネーター:堀井 良殷(大阪21世紀協会 理事長)

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当日は午前中に『森村泰昌 なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術』の内覧会があったので、私は午後からの「第2分科会:関西の文化力向上と戦略的発信」に参加。まずはお一人づつ7分程度お話を・・・ということだったのですが、パネラーの皆様、話したいことがわんさとおありのようでして、蓑館長は20分以上もスライドーショーを使って話されてました。

まず、アメリカ合衆国インディアナ州にあるコロンバス(Columbus)の事例を紹介してくださりました。
1941年頃、コロンバスにあるディーゼルエンジンメーカー、カミンズ(Cummins Inc.)の創業者の1人が街おこしの一環として公共建築を有名建築家に設計してもらうことを始めたそうです。
今では”veritable museum of modern architecture”(意訳すれば“近代建築が本当にいっぱい建っている場所”とでもなるんでしょうか)と紹介され多くの観光客が訪れているとか。
私もミーハーなもんで、こんど合衆国に行くことがあれば寄らねば!とすぐ思ってしまいました。
コロンバスの建築リストはこちら

ビルバオ・グッゲンハイムの例を持ち出すまでもなく、最近は建築が街おこしになっている例が各地で見られます。しかしながら、わが街大阪ではどんどん素敵な建物が壊されていく一方、なかなか胸ときめくような新しい建築物には最近出会ってません(トンでも建築にはよくお目にかかりますが・・・)。せっかくの北ヤードもなんか普通の感じになりそうですし。
やしきたかじんがOSAKAあかるクラブ(トップページはたかじんの声が出るので注意)で世界一のコンサートホールを大阪に作ろう!と呼びかけてますが、もっと盛り上がってほしいものです。

蓑さんが館長をされている兵庫県立美術館の話題も出ました。
行政に働きかけて、最寄り駅から美術館までの道をミュージアムロードと名付けて、美術館前にふさわしい感じにされていくとのこと。手始めに電線の地中化をされたそうです。「こういうことは大阪でやると10年ぐらいかかりそうですが、神戸だと約半年でなんとかなりました」とおっしゃってました。大阪って・・・(悲)。
また、暗い、わかりにくいと色々不満も聞こえてくる美術館のイメージをもっと良くしようと、エントランス部分に仕掛けをしたり、来年にはあの平たい屋根の上に大きなバルーンを乗せたりするそうです!バルーンは中之島の巨大アヒル「ラバー・ダック」で大阪では有名になった?オランダ人のアーティスト、Florentijn Hofmanに制作を依頼しているそうです。これは楽しみですね〜。「安藤さんに言ったら怒られるかなー、と思ってたんですが、ノリノリで賛成してくれました」とのことでした。

あと、大阪天満宮文化研究所の高島 幸次さんのお話も具体的でとてもおもしろかったです。
人は異界的な事柄や祭礼(伝統)に惹かれる傾向があるそうなんです。その祭礼(伝統)というのは重層的構造になっていて、一番核である神事はずっと変わらないままなのですが、周辺の神賑行事(天神祭でいうと、花火やギャル神輿のような行事)は時代のニーズに合わせていかなければ伝統といっても滅びてしまうという話はとても興味深かったです。
そして、伝統には本来伝統と疑似伝統という2種類があって、疑似伝統とは、歴史的にみるとそんなに古くない事柄だけどなんとなく伝統を感じさせるもの、例えば神前結婚がそれにあたります。大正天皇が初めてなさった神前結婚は確かにそんなに古い行事ではないですよね。でもなんとなくずっと昔からある伝統のように思えてしまう。そしてそれは一般的な訴求力がある。それが疑似伝統なんです。だから、なにかイベントとかを盛り上げようと思ったらこの疑似伝統の手法を使うといいんだとか。恵方巻もそれに当てはまるのかなぁとちょっと思いました。
大阪も疑似伝統のお祭りをどんどんやっていけば盛り上がりますよ!と力説されていました。
これは個人的な疑問というか、知りたいことなんですが、日本の盛り上がってる参加型のお祭りがある地域とそうでない地域との出生率を調べて欲しいんですよね〜。まぁ知ったところでどうってこともないんですが、お祭りのある地域の出生率が高ければ少子化対策につながったりして・・・。


最近、文化的にも経済的にも大阪の元気のなさは目を覆いたくなります。
ただ、これはヤバいんちゃうか、という空気がちょっと前に比べると出てきているような気もします。
現在は色んなところで色んな人がポツポツ活動を始め出している感じでしょうか。
この文化力会議でもサントリーの副社長、鳥井さんがおしゃってましたが、そういう動きを一つの方向に合わせていくことがこれから必要になってくるのでしょうね。
また、こんなおじさん連中で会議していてもアカンので、今後はもっと若い人も交えて話していかねば、ということも最後話題に出てました。

この会議は見た感じ背広をきたビジネスマンが多くて、アート業界の方はあんまり参加されていないようでした。今後はやはり経済界と美術業界の人たちが混じり合っていかねば駄目でしょうね。そういう意味ではせっかく関西に戻ってこられた蓑館長には両者の間に立ってもっともっと盛り上げていっていただきたいと小市民は願うのでした。(自分にできることは何かを考えつつ・・・)


編集部:森 優子

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