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三笑亭《アサヒビール大山崎山荘美術館周辺の素敵なお店》

2010 年 12 月 28 日 4,270 views No Comment

創業100余年。街道沿いの元料理旅館

JR山崎駅から、旧西国街道に沿って西へ向かうと、ちょうど京都と大阪の府境。
大阪まであと数歩、「三笑亭」の白い暖簾がはためいています。
ここは、かつての旧山城国と摂津国の国境。その関所の前で創業した料理旅館が始まりだそう。
40年前に料理旅館から料亭へと変わり、現在5代にわたって続く老舗です。
「創業者は禅宗の僧侶だったそうですよ」と、お店の歴史を聞かせてくれたのは店主の酒井 亮さん。
中国の故事・「虎渓三笑」から名付けられたお店の名も、禅僧だった初代ならではの発想です。

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名物の天ぷらは“油の神様”縁の逸品

san02築140年以上の建物は、創業時の風情を残す趣ある雰囲気が漂います。客室を利用した個室には床の間が設えられ、創業以来、受け継がれてきた由緒ある各部屋の掛軸も、見どころの一つ。2階の窓からは、離宮八幡宮の境内が間近に見渡せます。「実は、淀川の向こう岸にある石清水八幡宮の元社がこちら。昔はもっと境内が広かったそうですよ」という離宮八幡宮に縁の一品が、「三笑亭」の看板料理として代々受け継がれてきた天ぷらです。創建から1000年以上の歴史を持つ離宮八幡宮は、日本で初めて油の製造が始まった製油発祥の地としても知られています。神社の紋に描かれている荏胡麻から取る油は、食用ではなく灯火用として使われていました。中世以降、油商人が集まる油座の本所となったことから、今も年2回の祭礼には全国の製油会社から油が奉納されます。創業者が、この御神油を使った天ぷらを始めたのが好評を得て、「離宮天ぷら」として山崎の名物となっています。

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四季折々の味覚を趣ある空間で

「たっぷりの油を使って、油の温度を下げないよう、一つずつ揚げていくのがコツです」と、酒井さん。
カウンターなら、香ばしい香りとともに、目の前で揚げる様子が見られます。
おすすめのお昼のコース(2700円・内容は日替り)では、地元産の旬の野菜を中心に8種の天ぷらが登場。
サクサクとした薄衣に、キスやエビのふっくらした甘み、新鮮な野菜の風味が際立って、
このボリュームでもすいすいお腹に収まる軽やかな味わいが後を引きます。
春は日本一の味で知られる名産の乙訓筍やさまざまな山菜、秋は香り高い松茸と、
時季ごとに供される旬の味覚も、ここを訪れる楽しみの一つ。
かき揚げをたっぷりのせた天丼も人気です。

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「自然が豊かなこの辺りは、桜と紅葉の隠れた名所でもあります。
散策の後にお料理でも季節を感じていただければ」と酒井さん。
夜は本格的な会席料理も堪能できます。
ちにみに、店名の由来となった虎渓三笑とは、
「あることに夢中になって、外のことすべてを忘れること」の例え。
ゆったりくつろげる空間と四季折々の味わいが、ひととき日常を忘れさせてくれます。

取材・文:田中慶一


三笑亭
住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎西谷1
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電話:075-956-0217
時間:12:00~14:00、17:00~21:00(春・秋の繁忙期は要予約)
休み:不定休
URL:http://www.sansyoutei.com/

アサヒビール大山崎山荘美術館で現在開催中の展覧会は『うつわのちから ― くらしを彩るいれものたち』

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