happy conceptual 2 an hour in the life @甲子園会館(旧甲子園ホテル)
2011年11月19日、甲子園会館(旧甲子園ホテル)で1日限りの素敵な展覧会が開催されました。
(昨年の話で恐縮です)
それは、アーティストの藤本由紀夫さん、杉山知子さんそして観客が
甲子園会館という建物とコラボレーションして
そこで過ごす時間を作品として感じてみましょうという体験型展覧会でした。
タイトル通りだいたい1時間程、ガイドの方と一緒に建物のなかをうろうろ探索。
私が参加した回は杉山知子さんがガイド役をしてくださいました。
杉山さんは神戸のC.A.P.の代表もされている素敵な女性です。
現在、甲子園会館は武庫川学院のキャンパスとして利用されているのですが、
もともとは昭和5年(1930)に甲子園ホテルとして開業しました。
なんと戦前、甲子園界隈は一大リゾート地だったそうで。
競馬場があったりイチゴ狩りなんかもできたそうですよ。
(「ブラタモリ」のように再現CGを見てみたいですね〜)
この重厚な建物はフランク・ロイド・ライトの愛弟子・遠藤新(1889~1951)設計によるもの。
「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と並び称されたそうです。
いわゆる阪神間モダニズムの時代ですね。
上の写真は玄関から入ってすぐのところにある部屋。
昔はロビーだったのでしょうか。すごく素敵な雰囲気でソファに座るとしばらく動きたくなくなります。
机の上にはさりげなく藤本作品が。
これまたさりげなく置かれたリートフェルトのミニチュアチェアがキュートです。
藤本さんはご自身の作品の中で、リートフェルトの椅子を何回か使われてますもんね。
この建物、いたるところに打出の小槌がモチーフとして使われています。
芦屋には打出小槌町という縁起のいい名前の町があるのですが
どうもその地名から建築家の遠藤新が影響を受けたのだろうということです。
余談ですが、村上春樹の「風の歌を聴け」に出てくる公園も打出小槌町にあるんですよね。
ここはダンスホールや宴会場だったのでしょうか。すごく贅沢な空間です。
当日は藤本さんのオルゴールの作品が展示されていました。
各自、自由にオルゴールのネジを回すのですが、不思議と上品な音楽が流れている感じでした。
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あいにくの雨でしたが、屋上にも出てみました。
右上の写真のフックのようなものは
映画を上映する時にスクリーンをひっかけていたのだろうということでした。
うーん、晴れた日にビール片手に?建物の屋上で映画鑑賞。素敵すぎます。

最後は昔はBarだった小部屋で終わったのですが、
この部屋の床のタイルがまた洒落てますよね〜。こういう遊び心がいいですね。

このBarの床のタイル模様だったんです。
オリジナル切手サービスなんてものがあるとは知りませんでした。

そしてそして最後に嬉しいプレゼントが。
上の写真は招待状なのですが、展覧会の最後にシルバーのカードをいただいたのです。
裏には藤本さんと杉山さんのサイン入り。なんとエディションまで。
文字のスタンプや丸い模様もお二人の手作業なんだそうです!
当日参加することでひとつの作品が完成しました。
影響されやすい私はこの展覧会から帰るとすぐ家の掃除をして、
努めてゆとりある生活を過ごそうと決意したのでしたが・・・(決意はゆるぎつつあり・・・)
でも時間のすごし方を見直してみるいいきっかけになりました!
編集部:森 優子
うらやましい限りの素敵な展覧会のご紹介ありがとうございます。建物の写真が素敵でどうしても行きたくなり、先日やっと夢の見学を果たせました。
13:30~15:00のコースでしたところ、案内役の男性が「紹介するエピソードがどんどん増えて困ります(笑)」と沢山の説明を盛り込んで15:40まで延長して見学させてくださいました。数々のドラマや映画だけでなく宝塚スターの写真撮影等にも使われているというのに大きくうなづける豪奢な建造物ですね。
ライトさんのことはこの建物にまつわることでしか知らなかったのですが、昨日から読み出した『コレキヨの恋文』(三橋 貴明氏著)にも出てきたのは嬉しい驚きでした。これまではライトさんのことを聞いても心に留まらなかっただけかもしれませんが、今後はライトさん設計物や“ライト風”などにアンテナが反応しそうで、また日常の楽しみが増えそうです。ありがとうございます。
また見学させていただきたい素晴らしい元甲子園ホテル。これからも素敵な場所のご紹介を楽しみにお待ちしています。
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