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桑島秀樹個展「The World~ Vertical/Horizontal~ TTL」

2011 年 11 月 11 日 3,891 views No Comment

現在、スパイラルで桑島秀樹さんの個展が2011年11月15日(火)まで開催されています。

ガラスの作品「The World」の初期からごく最近の作品までまとめて見ることができ壮観です。

スパイラルガーデンの空間にすごく映える作品です。

入場無料です。お近くにお立ち寄り際は是非!

桑島秀樹個展「The World~ Vertical/Horizontal~ TTL」
会期:2011年11月8日~15日
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
時間:11:00~20:00 無料


桑島秀樹

Courtesy: Röentgenwerke AG


桑島秀樹

Courtesy: Röentgenwerke AG


桑島秀樹

Courtesy: Röentgenwerke AG




以下、プレスリリースです。

2004年以来、2008年、2011年とレントゲンヴェルケにて個展を開催する度に、驚くべき密度と、
視界に入りきらないほどの巨大な画面によって見るものを圧倒してきた桑島秀樹。
クリスタルグラスやデキャンタを綿密に積み重ね、慎重なフォーカスと露出でじっくりと撮影した上で、
膨大な量のレイヤーと格闘した結果生み出される巨大な画面は、
神を荘厳する寺院や、時には曼陀羅と評されます。
「THE WORLD」そして「Vertical / Holizontal」と進化し続ける桑島は、2008年にはメゾンエルメスの依頼で、光の彫刻ともいわれるガラスの立体作品を手がけ、2011年9月のラディウムでの個展「TTL」では、これまでの対照的な画面構成とは一線を画す、非対称的な構成を追求するなど、日々変化を遂げています。
この度、スパイラルガーデンにて、これらの作品を一同に並べ、
桑島秀樹の2004~11年の7年間を振り返ります。
広い空間にあってより魅力の増す桑島の作品を、ぜひご高覧賜りたく存じます。


■開催にあたって
桑島秀樹は、制作の基本に「TTL(Through The Lenz)」を置いています。
シャッターを切るのはほんの一瞬、しかしそこに至るまで桑島は、
レンズを通して対象のガラス器と長時間向き合うのです。
桑島は、この気の遠くなるほどにレンズを覗き込む時間に制作の実体があるといいます。
レンズも含めてガラスは光を形としてとらえる装置。
桑島はレンズを通して光と向き合い、その姿を様々に捉えてきました。
2011年ラディウム個展で発表した作品は、構想から7年、撮影開始から3年をかけています。
今回はこの7年間の中で発表された作品から、帰着点にある最新作を展示いたします。
時を越えて一瞬のブレも感じさせない、桑島の強い視線を感じていただければ幸いです。

statement 「TTL」 By Hideki Kuwajima
カメラという暗箱は私にとってはこの上ない自由を感じるのぞき箱なのです。
「ガラス」を見れば誰がどこからどう見ても「ガラス」と答えようものですが、
ひとたびカメラという箱を通せばたちまち視覚的な「ガラス」本来の性格を
何ものかにすり替える事も可能なのです。
カメラは誰が持ってもその性質は変わりませんが、別軸の要素としてその使い手に備わった技術、
また極めて個人的な美意識や感情に基づいたコントロールがなされれば単純な光とモノの相関性は
「作品」という狭義的でありながらも大変な魅力を持った創作物になり得るのです。
私が実制作に当たって最も頼りにしている一つの眼、すなわちレンズは立体として肉眼で得た多くの情報を
ファインダーという小窓に平面という体裁で表出させ、編集したい情報のみを提示してくれます。
そしてそのレンズを従えたカメラを測量機さながらに見立て、
あらゆる事物を用いて組み上げ、構成、考察を繰り返す、
つまり3次元と2次元との往来による行程の多層性が作品を創り上げる軸となるのです。
私は写真家ではありますが私にとってのリアリティとは「決定的瞬間」のそれをさすものではなく、
レンズを通した様々な制作の工程による時間そのものがリアリティなのです。

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