Articles Archive for 8月 2010
美術館周辺の素敵なお店, 関東 »

創業昭和6年、古き良き日本橋の面影を残す老舗洋食店の粋
日本橋を訪れたら一度は行ってみたい老舗洋食店「たいめいけん」は、
コレド日本橋(旧東急百貨店)の真裏に店を構えています。
変わりゆく街の景観をよそにそこだけゆったりと昭和の香りを残すモダンな建物。
1階は老舗の味を気軽に楽しめる洋風食堂。
名物のオムライスにエビフライ、コロッケ、ハンバーグといった定番料理が、
庶民的な価格で味わえるとあって昼夜を問わず行列が絶えません。
2階は本格的なレストランで、デミグラスソース一つとっても倍の手間をかけ、
吟味された素材を使ったこだわりの味を提供しています。
1階2階どちらにもそれぞれの味と魅力があり、作家の池波正太郎氏が愛した店としても有名です。 (続きを読む…)
展覧会レビュー, 桑原俊介, 関東 »

森美術館は、2010年度のテーマとして「日本の再定義」を掲げている。今回の『ネイチャー・センス展』は、その一環として「日本の自然観」を再定義する試み。主題となるのは、「知性」でとらえた自然のみならず、「感性=感覚(センス)」でとらえた自然。現代日本を代表する3人の芸術家は、どのように自然を「感性的」にとらえ、それをどのように「感性的」に芸術作品として呈示するのか。そして来場者たちはそれをどのように「感性的」に捉え、そこからどのようにして「日本の自然観/自然感」の再定義を図るのか——。明治時代にnatureの訳語として造語された「自然:しぜん」概念は、それ以前の仏教的な「自然:じねん(=ありのまま)」概念と融合して、どのように日本人の(日本語を用いる者の)知性と感性とを作り上げていったのか。そしてそれは現在どのようなあり方を見せているのか——。日本で最も「大地」から切り離された(地上約230メートル!)「森」美術館で、「ネイチャー」についての知性と感性とを考える。
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小平信行, 展覧会レビュー, 関東 »

20世紀半ばに活躍したフランスの写真家アンリ・カルティエ・ブレッソン。私の最も好きな写真家の一人だ。ブレッソンの写真集「決定的瞬間」の中の一枚「サン・ラザール駅裏のヨーロッパ広場」。一人の男が水溜りをよけようと飛び上がった瞬間をとらえたなにげない写真だがなぜか魅かれる。ブレッソンは肉眼に比較的近いという理由で標準レンズを好み、日常のごく当たり前の光景を独特のフレーミングでとらえた。ブレッソンの写真はこうした日常の風景を「決定的瞬間」に変えてしまう魅力がある。ブレッソンは自分の関心で対象を追い求め、自己表現の一手段としての写真という新境地を開いた。
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展覧会レビュー, 浅井佑太, 関西 »

モダンという言葉を定義するのは意外に難しい。直訳すれば「現代の」「近代の」という意味だが、それは絵画や建築といった芸術の分野だけではなく、例えば「modern weapon(近代兵器)」と言った具合に、様々な分野に適応することができるし、さらに言えば、モダンと言う言葉は、時代や文脈によってプリズムガラスのようにその意味合を変えてしまうからだ。モネの絵画がモダニズムとして解釈されたと思えば、クレーの抽象画がモダンアートとして扱われると言った矛盾をぼくたちは日常のうちで何度も経験しているだろう。ぼくの手元にある書籍では、紀元前の土器にすらその形容詞は使われている。さらには「ポスト・モダン(ポスト・現代)」と言う一見不可解な用語まで存在する始末だから性質が悪い。
それでは、ぼくたちは「モダン」という単語をどのように解釈すればよいのだろう?
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吉田卓爾, 展覧会レビュー, 関西 »

『妖怪』に対するイメージは人それぞれに異なる。具体的な、すなわち擬人化された『妖怪』を想像する人も居れば、抽象的な火の玉のようなモノを想像する人も居るであろう。また擬人化された『妖怪』と一言に言っても、人に被害を及ぼす『妖怪』とそうでない『妖怪』とがいる。展覧会図録の中で京極夏彦氏が『妖怪』の定義や水木しげるの功績について触れているように、人それぞれに異なったイメージを持っている『妖怪』という漠然とした存在に具体的な姿・形を賦与したのが水木しげるその人である。
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もっと知りたい!展覧会, インタビュー »

昨年、和歌山県立近代美術館で自らのコレクションを一堂に展示、その後同館へ寄贈された田中恒子さんにお話を伺った。
前回からの続きです。
美術作品を所有するということ
ギャラリーで展示されている状態で作品を鑑賞するだけではなく、購入した作品を家に持ち帰り、さらに長い時間を共有するということは、田中さんにとってどんな意味があったのでしょうか。
私自身は作品とお喋りできるということがものすごく楽しくて、お喋りをするために作品を買っていた面がすごく大きいです。先日新聞 で読みましたが、大和ラヂエーターの佐藤辰美さんは、作品をもっと理解したいから買うという考え方ですよね。私の場合は「理解する」とは少し違う。温め合っているというか、作品との関係のあり方がすごく穏やかなんです。昨年の和歌山での展覧会を見た多くの人から、「現代美術といっても、穏やかというか、ゆるやかというか、こんな世界もあるのね」と言われました。私が集めてきたのは、楽しいとか、おもしろいとか、びっくりしたとかいうような、主にユーモアのセンスやおかしみをもった作品で、ひとえに自分自身を励ますために買ってきたんです。
そして、作品は家に連れて帰って一緒に暮らすと、家族の一員のようになる。だから、どの作品であろうと、ひとつでも欠けると寂しいと感じましたね。 (続きを読む…)
終了した展覧会 »

展覧会サイト:http://mimt.jp/yume/
2010年8月24日(火)〜 2010年11月3日(水・祝)
三菱一号館美術館(東京都千代田区丸の内2-6-2)
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水・木・金/午前10時 ~ 午後8時
火・土・日・祝/午前10時 ~ 午後6時
※ただし入館は閉館の30分前まで。
休館日:月曜日<祝日の場合は翌火曜日は休館、11月1日(月)は開館>
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