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[2014 年 2 月 28 日 | No Comment | 2,832 views]
使う器から見る器へ《隠﨑隆一 事に仕えて レビュー》

展覧会場に入ってまず目につくのが《ZOI》というタイトルがついた作品だ。高さは1メートル近くあり、黒く細いくねった管が蛇の首のように立ちあがった形が印象的だ。果たしてこれは器なのか、オブジェなのか。タイトルからは想像できないが、よく見ると上部に口があり、花器という見方もできる。

《備前三足花器》は黒い焼き締めの高さ30センチあまりの小ぶりの作品だが、手を腰にあててあたかもダンスをする女性のようだ。同名の5個組の作品は5人の太ったおばさんが会話をしているようにもみえる。これらの作品は用を離れ、造形性に富んだあたかも「見る器」のようでもある。

備前焼の伝統を背負いつつ、新しい造形を追求する陶芸家、隠崎隆一の個展が2014年3月30日(日)まで、東京の菊池寛実記念 智美術館で開かれている。智美術館は独特の展示方法で主に焼きものを展示するユニークな美術館だ。特に照明には凝っており、大きな薄暗い空間に並べられた作品は、一点一点が陰影を生み出し、独特の展示風景を作り出している。冒頭にも紹介した高さが1メートル近い今回の個展の目玉作品ともいえる《ZOI》や、《ファランクス》と名付けられたオブジェなどが、広大な展示室にスポット照明で並んだ光景はどこか空想の世界に連れていかれたかのようだ。 (続きを読む…)